好きな書体発表デザイナー

フォントイメージ

実は書体の数は、和文用のものだけでも現在約3000種類にも及び、
欧文用のものも含めるとその倍を上回るバリエーションが存在します。
引用:書体を観察してみよう ~明朝体 - 幻冬舎ルネッサンス

本や新聞、ポスター、お店の看板・メニュー表から、テレビや動画のテロップまで…
私たちの生活は、さまざまなフォントに囲まれています。

和文だけでも把握しきれないほどの種類の中から
高級感とか、親しみやすさとか、対象年齢とか…
意図する情報伝達に相応しいかを考慮して、デザイナーはフォントを選定しています。

とは言いながら、制作を重ねるうちに
個人的な「愛用フォント」が自然と定まってくるのではないでしょうか。

そういったデザイン制作の上で個人的に頼れる普段使いのフォントを、
最近各所で見かける某フォーマットで語ってみます!

好きな普段使いフォントを発表します〜〜♪

源柔ゴシックimage

元になった「源ノ角ゴシック」が既に扱いやすいのですが、
角に丸みを加えて丸ゴのようなプロポーションにしたフォント。
柔らかみがありながら丸ゴ系ほど丸々とし過ぎず
わずかに硬さを残していて、あらゆるシーンで使いやすいです。
丸みのレベルで標準、X、Lと3つの種類がある中、
標準が丸ゴに寄り過ぎず最も程よいと思います。

ZENオールド明朝image

クセ少なめで可読性に優れたオーソドックスな明朝と思いきや、
かなが筆づかいを思わせる古風さがあって、控えめで格調高いフォントです。
まじめな冊子の本文などに重宝します。

ZENオールド明朝image2


↑あ行だけを見ても「う」や「え」の繋ぎ部分、
「お」の流れるような筆致がたまりません♪

A1明朝image

漢字の造形はこちらの方が好きです。
某人気アニメ映画のタイトルロゴに使われていることでも有名ですね。
↓こういう“墨だまり”のようなアールが、
ロゴや見出しに使いやすい特別感のあるルックスを演出しています。

A1明朝image2


ウェイトが1種しかなかったので、比較的使い所が限られているという印象でしたが
2023年10月より待望の3ウェイト展開になり、活用の場が広がっています!

〈モリサワ 2023年新書体としてA1明朝の新ウエイトを発表! 10月18日(水)11時より提供開始、特設ページは本日公開〉
https://www.morisawa.co.jp/about/news/9691
リンク元:モリサワ

中ゴシックBBBimage

もはや実家のような安心感のある基本のゴチですよね。
小さく入れる注釈や、ブランケット紙の写真キャプションなど
このフォントを使うだけで「それっぽさ」を演出できて便利。
プレーンで真面目なルックスが魅力で、長年頼っているフォントの一つです。

新聞明朝image

仮想ボディみちみちの新聞明朝も好きです。
その名の通りブランケット紙の本文向けフォントですが、
平体処理に平然と耐えるところが意外とグラフィカルな処理にも合っていて
可愛く仕上げることができます。


新聞明朝とマティスを縦書き平体70%で並べてみました。
「変形かかってる感」に差があると思いませんか?

UD新ゴimage

一時期、小学生や高齢者向けの制作物をよく作っていたのですが
限られたスペースに削れない情報量を
読みやすくまとめさせてくれた救世主がやはりこれ!
4〜5級程度(1ミリくらい)のサイズになりがちなルビも最低限の可読性を保ってくれます。
ユニバーサルデザインに特化した新ゴですが、それとは関係なくても
普通の新ゴと比べて数字が特段に良化したと思います。

ルビ見本


UD新ゴとロダンを同級数で並べてみました。
さすがユニバーサルデザイン書体、といった違いですね!

今回は比較的「縁の下の力持ち」として好きなフォントをピックアップしてみました。
ちょっとでも制作の参考になれば幸いです。

好きなフォントがまた出てきたその時は
発表したい 発表したい♪

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MS室でデザイナーとして勤務するスタッフが執筆しています。