【色校正】印刷の色の話
印刷してみら思ってたのと違う....
そんな経験ありませんか。実はパソコンの表示と印刷物では色が合わなくて当然なんです!
ですので、業者などで印刷を行う際には「人の顔色が悪い」「実際の色とかけ離れている」といった認識のズレを未然に防ぐために色校正を行うと安心です。
こちらの記事では色校正を切り口に様々な色に関する知識をご紹介します!
スマホで写真を撮ったり、 家庭用やオフィスでプリントするときに役に立つ知識も一緒にご紹介しますのでぜひご一読ください!
目次
色校正とは
印刷での色の表現は基本的に4色を混ぜ合わせて表現されています。
プリンターのインクを交換したことがある方は経験があるかと思いますが地味に高いアレのことです。専門業者で行われる大きな機械を使った印刷でも原理は同じで、色の三原色+1色を組み合わせて全ての色が表現されています。
色の三原色+1色つまりシアン・マゼンタ・イエロー+ブラックを混ぜ合わせて紙面を彩る際、どうしても「ちょっと写真が青い」や「マゼンタが強い」といったことがおこります。
これはデータを作成しているモニターと紙面で色を表現する原理が異なることが主な原因です。モニターについては後述しますが、こういった色のズレを避けるためには「色調見本」という色の基準になるモノが必要になります。
色調見本
色調見本とは、名前の通り「色はこれに合わせてね」という見本になります。色調見本を基準に印刷所が色の調整を行うことでイメージ通りの色を表現することができます。色調見本は色の三原色+1色で表現されたモノ-つまり印刷されたものしか使用できません。タブレットやパソコンのデータを色調見本にすることはできないので注意が必要です。
※色調見本については印刷所で扱いが異なることがあるため事前の確認をお勧めします。
※基本的に色調見本を"標準"の色味として調整しますが、紙質の違いにより色が変わる場合があります。
色校正
それでは、はじめて印刷する紙面や、二度目の印刷で色を調整したい場合はどうでしょうか。
その際に必要になってくるのが色校正です。色校正にも様々なやり方がありますが一番制度が高く効率的なのは印刷所で実際に立会いを行う方法です。実際に立会いをすることで細かいところまで確認でき、本機印刷機で色の微調整を行うことができます。
ただし、CMYKで再現できない色もあるため表現によっては時間や費用が掛かることもあります。特色や箔押しなどの特殊な表現は事前相談できると安心ですね!
当ブログの運用会社では大きく分けて2つの色校正を場面により使い分けています。詳しくはこちらにて詳しく解説しておりますので是非ご覧ください!
モニターと印刷された紙では色が違うのはなぜ?
パソコンやスマホの画面と印刷された紙では色の表現方法が異なります。普段私たちが目にしている色には【光の三原色】と【色の三原色】の二種類があります。
パソコンで見ている色は光の三原色(レッド・グリーン・ブルー)を組み合わせて全ての色が表現されているのに対し、印刷の場合は先ほどから度々登場している【色の三原色】で表現されています。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
光の三原色RGB
光の三原色とは光源自体が発色する色のことで、RGB(レッド・グリーン・ブルー)と呼ばれます。太陽光やパソコンモニター、信号機などがRGBに当たり、RGB全ての色を混ぜると白色になります。2014年に日本の3氏がノーベル物理学賞を受賞した青色発行ダイオード(LED)の発明と実用化はまだ記憶に新しいですが、すでに存在していた赤・緑と組み合わせることで全ての色が表現できるようなり、白色のLEDが使用可能となったというわけですね!
色の三原色CMYK
対して、色の三原色は光源からの光を受けた物体が示す色のことでCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)と呼ばれます。印刷物や塗料がこれに当たります。全ての色を混ぜると理論上は黒になるはずなのですが、実際に印刷用インキを混色しCMYで黒を出すことは技術的に難しく、どれだけ頑張っても濁った茶色にしかなりません。そこで印刷物でより輪郭や細部を鮮明に出力するために作られたのが、K(Key Plate)であり、組み合わせてCMYKと呼ばれます。
CMYKはアナログ表現
パソコン上で印刷物を制作する際には、RGBであるパソコンモニター上に擬似的にCMYKを表示させて作業をします。しかし、パソコンモニターの設定などでも色は変わってしまいます。カラープロファイル設定である程度の調整は可能ですが印刷物はやはりアナログです。アナログであるということは気温や湿度などの環境要因によっても色が影響を受けてしうこともあるので繊細な色の表現には調整が必要です。
ネット印刷では色校正が難しい
ネット印刷は便利なサービスですが、色校正がどうしても難しくなってしまいます。色校正を行なっているサービスも近年増えてきましたが、やはり郵送でのやり取りがメインになるため難しいのが現状です。ネット印刷を使うにしても繊細な色の相談などはやはり印刷所で行い用途によって使い分けを行うと安心です!
写真撮影ではホワイトバランスに注意
ここまで色をイメージ通りに表現するためには、色調見本のような基準が必要ということを解説してきましたが、実は写真撮影のときにもこの色の基準という考え方が役に立ちます!
普段様々な光源の下で暮らしている私たちですが、太陽光の下と白熱灯の下では実際に映し出されている像の色は違うはずです。私たち人間は白い物を見たときに「これは白だ!!」と自動補正をかけていますが実際、像の色は変化しています。
光源には色温度というものが存在し、この色温度によって映し出される像の色は変化します。
写真撮影の際、カメラに「ここの色温度はこれくらいだよ」と教えてあげる機能があります。ホワイトバランスという機能なのですが、基本的には白を白と識別できるようにし、それを基準にカメラが色味の自動補正を行なってくれます。基本的な使い方は上記の通りなのですが、この設定を応用すると、カメラをより楽しむことができます。例えば、綺麗な夕日を撮影したいと思ったときに適正のホワイトバランスで撮影するとそのままの風景が写し取られますが、ここで色温度設定を極端に下げてあげるとどうなるでしょうか? より赤みを増した夕日を撮影することができますよね。作品の優劣は個人的なモノなのでどちらが正しいというのはないのですが、表現の幅を広げることはできますよね!
逆に商品撮影などではホワイトバランスを適正に設定することが大切になってきます。おてものスマホカメラにもWBという表示でホワイトバランスの設定ができるアプリもあるますのでご興味のある方はお試しください!(最近では撮影後の加工で調整することも多いです)
見る人によって見え方が変わる画像!?あなたは何色に見えますか?
こちらの画像は人によって「青と黒」に見えたり「白と金」に見えたりする不思議な画像です。この現象は錯視によって引き起こされるのですが、私たちの目も自動補正によって認識が変わるという代表的なご紹介でした!
詳しくはこちらにわかりやすくまとめてありますので、ご興味のある方はご覧になってみてはいかがでしょうか!
ちなみに私はどう頑張っても青と黒にしか見えません!
色の心理効果
私たちは色によって様々な心理効果を得ています。鎮静色と言われる寒色系の色はオフィスでよく使われており、人間の気持ちを落ち着ける作用があります。逆に暖色系の色、特に赤などは誘目性が強く目立ちます。また、色によってイメージも変化します。 こういった心理効果は侮れませんよね....しっかりと色を表現していきましょう!
色の心理効果についてはまた改めて詳しく記事にできればと思います!
色校正 まとめ
いかがだったでしょうか!様々な色について色校正を切り口に解説して参りました!
色は抽象度が高いのでそれを伝えるときには基準が大切ですね!
また、私たちに備わっている色覚によっても色の感じ方には個人差があります。最も多いのは3色型色覚と言われていますが、中には4色型色覚といって人より色が見えすぎている方や逆に2色型色覚といって色が見え辛い方もいらっしゃいます。男女でも色の感じ方には違いがあるようです。
そこで注目されているのがカラーユニバーサルデザインという考え方です。カラーユニバーサルデザインについてはユニバーサルデザインの記事の中で紹介していますので詳しく知りたい方はこちらをご覧ください!