ユーザビリティ改善につながるUI/UXデザインとは?
「モノ」が売れない…そんなときに見直したい「コト」
UI/UXの概念ははデザイン全般、特にwebやプロダクトではとても重要な考え方です!UI/UXデザインを改善することで、ユーザビリティを高めることができます。
今回の記事ではそんなUI/UXについてノンデザイナーの方でもわかりやすいように記事をまとめました。「すでに知ってるよ!」というデザイナーの方にもおさらいできる内容になっているので是非ご覧ください。
目次
UI/UXとは?
ざっくり言うとUIが「見た目」でUXが「体験」になります。
UIとはユーザーインターフェースの略で、ユーザーとモノを繋ぐ接点のことを指します。例えば、スマホやPCで見られる情報は全てUI(ユーザーインターフェース)を通して見ていることになります。
一般的にはUIを通してサービスやプロダクトに接しているときの体験全体をUXと呼ぶのですが、日本におけるユーザビリティの第一人者である、黒須正明先生のたとえ話が非常に理解しやすいのでまずはご紹介いたします。
プロモーション活動はその特性上ラブレターに例えられることが多いのですが
黒須先生曰く、
「ラブレターがいかに心を引きつけるように書けたとしても、それは恋が成就することを保証しない。だから恋を成就させることを目標とするなら、ラブレターの品質だけを考えていたのでは不十分だ。」と記事の中でおっしゃられています。
ここで言うラブレターがUI(ユーザーインターフェース)の部分にあたります。確かにラブレターがどれだけ情熱的でお洒落で字が綺麗だったとしても、相手との関係性で告白の成功率は変わってきますよね。そこで大事になってくるのが告白に至るまでに行ったUX(ユーザーエクスペリエンス)となるわけです。
適切なUXデザイン、つまり日常的な会話や、アプローチ、見た目やイメージなどを通して意中の相手が抱いている感情が大いに結果に響いてくるでしょう。
たしかに、よく知らない人から「私の連絡先はこちら!→URL」みたいな手紙をもらっても困りますよね 笑
UI/UXデザインの目的はユーザビリティを高めること
ユーザビリティとは、ユーザーがwebサイトやソフトウェアを使うときの操作性や満足度をあらわす指標になります。
迷うことなく、簡単に、ストレスなく操作できることをユーザビリティが高いと言ったりします。
UI/UXデザインをユーザーや用途に応じて最適化することでユーザビリティを高めることができます。
ユーザビリティ5つの要素
ここで、ユーザビリティ研究の第一人者であるヤコブ・ニールセン博士による定義をご紹介します。下記の5つの要素が、ユーザビリティを構成するとニールセン博士は定義しています。
①学習しやすさ(Learnability):
システムは、ユーザがそれをすぐ使い始められるよう、簡単に学習できるようにしなければならない②効率性(Efficiency):
一度学習すれば、あとは高い生産性を上げられるよう、効率的に使用できるものでなければならない③記憶しやすさ(Memorability)
ユーザがしばらくつかわなくても、また使うときにすぐ使えるよう覚えやすくしなければならない④エラー(Errors)
エラーの発生率を低くし、エラーが起こっても回復できるようにし、かつ致命的なエラーは起こってはならない⑤主観的満足度(Satisfaction)
ユーザが個人的に満足できるよう、また好きになるよう、楽しく利用できなければならない
上記を見てもわかるように、ユーザビリティの向上はUI/UXの改善にて行うことができます。
現在、発表されているwebサービスや製品は5つの定義を念頭に設計されているモノがほとんどですよね?
初回チュートリアルや飽きさせない工夫が充実しているものばかりです。
なかでも、「iphone」の徹底されたユーザビリティの高さはあまりにも有名です。
不便だからいい? レコードのリバイバル
2000年代中頃から徐々に認識されはじめ、今やデザインをする上で欠かせない概念となったUI/UXやユーザビリティですがその弊害として、「どこのwebサイトを見ても同じような見た目。デザインの独自性が感じられない」といった声も上がっているようです。
そこで近年、カセットやレコードいった不便なUIが注目を集めています。2020年には、CDの売上をレコードが上回ったという衝撃的なニュースもあり、哀愁や懐かしさを表す「エモい」という言葉も今や大辞林にも収録されるほど。
不便さの中にUXを見い出すという逆転の発想も必要なのかもしれませんね。
しかし、知っていてズラすのと、知らずにズラすのでは雲泥の差。
次項からはUI/UXのそれぞれの改善につながる概念や考え方を見ていきましょう。
UI(ユーザーインターフェース)を改善する
アフォーダンスを意識する
突然ですがあなたの前に扉があります。
写真のような扉、あなたならどのように中に入りますか…?
(少し想像してみて下さい......)
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あなたは、ドアノブを「引いて」中に入ったと思います。
逆にこういった扉ならどうでしょう?
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もちろん押しましたよね?(PUSHって書いてありますしね.....)
こういった”与えられた環境の中で適合的に遂行することができる主体の行動ならびにその特性”のことをアフォーダンスと呼びます。
要するに「普通に使ってたらこういう動きになるよね」というデザインになっている感じです。
これはUIデザインにも共通する考えで、ボタンの押しやすさ、配置の見やすさ等、”ユーザーが考えなくてもそれが何かわかる(Don’t make me think)”ようにすることがUIの改善に繋がります。
UX(ユーザーエクスペリエンス)を改善する
私たち日本人はそもそもUXに優れた国民性だと私は思います。
日本の伝統文化である「茶道」なんかは根幹の部分が”体験や精神性”にあてらており、現代風に言うと「とてもUXに優れた活動」です。(茶道のにじり口などはまさに優れたUI)
そんな思いやりや、おもてなしの心(ユーザー理解)の姿勢をサービスやデジタル方面にも向けることがUXデザイン改善へとつながります。
課題の発見やブラッシュアップの方法については当ブログデザインの鍵を握る【トンマナ】とは?ブランディングにおいても重要!にて詳しく解説していますので、ご興味のある方はご覧ください。
関連記事:デザインの鍵を握る【トンマナ】とは?ブランディングにおいても重要!
茶道のにじり口は優れたUI
茶道を行う茶室に入るための入り口を「にじり口」と呼ぶのですが、初めて茶室に入る人はその低さにビックリするそうです。
にじり口が採用され始めたのはまだ主従関係が色濃い戦国時代。
茶室の中では全ての人が平等ということを示すためにわざと入り口を低くしたそうです。どんなに身分が高い人でも、刀を外し、頭を下げなくては茶室に入ることができない。
この「にじり口」茶道の"道"に最適化された素晴らしいUIと呼べるのではないでしょうか?
まとめに
いかがだったでしょうか?
UI/UXについてはweb・アプリケーション関係の記事がネット上には多かったので、そこから一歩引いた全体の概念を捉えて頂けるように記事を考えてみました。
もし、皆様の何かしらのキッカケになれれば幸いです。